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In the mind:すとっぷのブログ。いろんなこと、考えたこと、思いついたこと、見つけた物の雑記
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 Tシャツの一生を通して世界を見る!そんな本。

マクロな話

 Tシャツはまず、テキサスで生まれる。綿という形で。そこでは、政府、大学、綿農家が一体となって綿農家を保護し育てている。多額の補助金も出る。まさにアメリカの政治のなせる技。補助金の額だけでアフリカの綿花生産国のGDPを上回ってしまうことも・・・。アフリカにとって更に悪いことにアフリカはアフリカで不効率で農民がインセンティブを持たないようなやり方に終始している。農民がアイディアをもって色々なことをしても、結局政府やら仲介業者やらなにやらに利益を吸い上げられてしまう。一生懸命やったことが評価されていない。
 さて、綿は中国に輸出される。綿を織る、衣服を作る。つまり繊維工業。多くの工業国がこの過程を経ている。はじめは、イギリスで始まり、アメリカ、日本、台湾や東南アジア、中国へと写って行った。其の過程でたくさんの農村を離れた(しかし貧しくつらい農村を離れることを望んでいるひとが多くいる)労働者、特に女性が酷使され世界と競争してきた。そうした犠牲があってこそ、今の豊かな世界があるのだ。反グローバル化運動の活動家で「搾取工場で作られた製品の不買運動をしよう!底辺での競争を阻止せよ!」といった類のものがあるが全くばかげている。まさにそんな競争によって豊かになった国の活動家がその阻止を叫ぶ・・・。
 労働者と経営者は対立を続けてきた。其れはずっと「欲深で人でなし」VS「貧困から抜け出す唯一の道を閉ざす無鉄砲なやから」だった。しかし如何だろう。今をみてみる。状況は改善された。其れは誰の目にも明らかだ。子供の労働は減ったし、事故も減った。賃金は上がり労働時間は減った。自由もある。この対立が生み出したのはこのような結果だ。
 アメリカでは繊維業界が強い政治力を持っている。大きな額を生み出しているから政治力が強いとは限らない。団結こそが力になる。それによって奇妙なルールが多数生み出される。それはアメリカ全体の利益にはなりえない。ところが・・・・有権者は其のルールを支持してしまう。繊維業界の巧妙な同情をさそうキャンペーンによって。。。
 使った(といっても新品とほとんど変わらない)Tシャツはアフリカに行く。其れによってアフリカの一部の繊維業界は悲鳴をあげたかもしれない。しかし輸入を許可された国のアフリカの人は、まず服が着れるようになった。量が多いのでファッションも選べる(アフリカ人はかなりファッションにこだわるらしい。)。其れと関連した効果もおおきいのだ。国民のためを思ったならば、一部の産業を守るよりも有効な投資があるはずだ。


ミクロの話

自由競争
 市場の原理自由競争を褒め称える人はよくいる。しかし・・・そのいってる本人を見てみろ。果たしてちゃんと自由競争している人間か?そうでない場合の方が概して多い。マクロで見れば確かに自由競争市場の原理は効率的なはず。しかしミクロではどうか、ずっと続くコスト競争・・・・果たして自由競争の勝者こそが勝者なのか???本当の勝者は実は自由競争を唱える人でさえ其れをしない。彼らは自由競争を回避することに長けている。そして其れは自由競争よりももっと悪い影響を裕福でない人たちに与えうる。


もっとも華々しく包括的な保護主義的制度の生み出したもの
 日本の裕福な米農家、アメリカの綿農家、ヨーロッパのとうもろこし農家・・・見んなすべて政治力の賜物


アメリカの綿農家には圧倒的にかなわないわけ
 アメリカで害虫で作物全滅→保険、や他のものをつくる
 インドでは・・・→自殺、農薬が支給されるも取扱説明書が間違っている。さらに文字が読めない、学校が無い、適切な助言をする政府、大学、研究機関が無い。害虫駆除に無力だった農薬が、しばらくすると毒薬として何百人もの農民を苦しめる。
勝ち目は無い・・・。

上海の昔。綿工業が育てた実業家のための大人のディズニーランドと革命指導者

上海ディズニーランド
一階にはと莫大、歌娘、手品し、すり、スロットマシーン、花火、鳥かご、扇、潜行、曲芸し、男娼
其の上の階には・・・・役者、とうしっしゅ、ポン引き、産婆、床屋に耳掃除やだ。
其の上には、ジャグラー、薬草、アイスクリームや、写真や、腰までスリットの入ったチャイナドレスに身を包んだ娘たち、そして珍品剥き出しに並べられた数列の洋式便器
更に其の上・・・・射的場、トランプゲーム、マッサージ代、干し魚、腸ずめ、ダンスフロア
更に更に其の上・・・わきの下までスリットの入ったドレスの娘たち、鯨の剥製、講談師、風船、覗き部屋、仮面劇の役者、鏡の迷路、うまく行くこと請け合いという代書氏のいる恋文部屋*2、ヘンな神々が祀られた寺。
一方・・・
綿工場の労働者の暮らしは悲惨そのもの
→革命。


中央計画
 どうしよもない。敗者に補助金をばら撒くようなシステムは労働者の意欲を掻き立てず、物やサービスの向上には向かない。
中央は誤る。材料選び、価格設定、人選・・・。国が潰れる。
企業だってあやまるさ、そりゃね。でもそれは実験レベル。企業は潰れて一部の人間は確かに困る。でも国はあしたもおんなじように生きてゆけるのだ。


ボトルネック論
 ボトルネックの無い暮らし。自給自足。家族で採った綿の量だけ、紡ぐ、織る。
ボトルネックのある暮らし。工場。一部の工程が他に比べて遅くなる。すると誰かがそうでなくなるように考え出すものだ。すると生産性が上がる。


他人事とは思えない症候群
 経済学者の皆さんはいま大部分自由貿易推進者たち。原理的にすごい単純でみんなが得するはずで、何も問題は無いとおもっている。保護貿易なんて最悪だって・・・
でも・・・有権者の多くは自分が利益を得られない、寧ろ損するにもかかわらず国内産業の保護を理由に保護貿易を支持する。保護貿易の恩恵にあずかるのはごく一部の人間で、大部分は不利益を被るのに。
これこそ一部の人間の政治力と大多数の人間の同情、つまり他人事とは思えない症候群によって生ずるのかな?

人間的
 有権者は人間的。Tシャツのコストが安くなることよりも、自分の近くの繊維産業が守られることを優先する。もっとも、それが将来に渡って「守られる」ことに繋がるかどうかは別だが・・・


どちらの戦いを優先するのか?
 アメリカは共産主義と戦っていた。もしも日本が共産主義になったら困る。だから日本の繊維をいっぱい輸入して経済を強くしなくては・・・・
ところが・・・。繊維産業のてきは共産主義ではなく、日本だった。そこで繊維産業の政治力が発揮される・・・。
しかし皮肉にもそれが日本の産業構造の転換や、台湾、東南アジアの繊維産業の発展を促し、アメリカの製造業をくるしめている。


無料
無料、つまりただには勝てない。アメリカは大量消費を繰り返す。Tシャツも大量にあまる。無料で回収されアフリカに輸出される。誰も勝てない。


慈善団体の限界
 慈善団体の衣服を効率よく人々に行き渡らせる能力は、到底市場にはかなわない。好む好まざるにかかわらず、彼らの助けが必要で、彼らが利益を得るからという理由で拒絶するのは不効率。


メディアの謎
 「謎に包まれた××商売」という見出し。謎に包まれた商売の見出しより、メディアのこういうきわめて独断的な物の見方のほうがよっぽど興味深い現象。
メディアはマクロ論ばっかり。ミクロでは全く無力な場合が多い


ウルグアイラウンド
 政経を勉強したなら言葉は聞いたことあるはず。でも中身は・・・。交渉は7年間。合意書は22000ページ・・・。


結局は政治をうまく活用することが大切なのだ・・・


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以上でした。Tシャツから此処まで調べ上げてくるとは・・・すごいといった感じです。ただ、読んでて飽きちゃう人は飽きちゃうかも。ちょっと忍耐が必要な本でした。でも世界を見るための重要な視点の一つだと思いますよ。まっとうな経済学、ヤバい経済学とともにオススメの本です。

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まっとうな経済学

著者:ティム・ハーフォード
価格:¥ 1,890
中古:¥ 2,800


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ヤバい経済学 ─悪ガキ教授が世の裏側を探検する

著者:スティーヴン・レヴィット
価格:¥ 1,890
中古:¥ 1,298





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 前半部は陸続きの国の国家、国益、人種、そして人道の問題の難しさが強く描かれています。この本の著者は多分に人道的観点からスイスに批判的ですが、日本は海に囲まれた国家ゆえ問題が起こりにくいだけであり、日本も潜在的なスイスといえるでしょう。人道的に批判されている対象はいくつかありましたが、少数民族差別、第二次世界大戦前後のユダヤ人の入国制限、難民受け入れ問題、そして最近のネオナチ・・・
 国内産業国民の労働の保護、国民のための政府と難民の受け入れ、人道。両立しがたい現実が描かれています。

中間部は軍事や核問題。

 そして終わりは私の興味を引いているのはスイスの金融です。最近は徐々に変わってきましたが違法な資金も保護することでほかの金融機関とはちがった優位性を持ち莫大な資金を集める手法。そして、今なお強く残るのが税金逃れのための預け先としての機能。
スイスの銀行側の理論はこうです
「世界のお金を半分以上も取られるという法外な税金から守る」
だいたい世界中累進課税ですから、彼らのいう「法外」な税金を請求されるのはお金持ちです。そのお金持ちが脱税したお金をかくまうという機能。更に、世界に比べて格段に安い相続税。(日本の相続税は超累進課税、ある一定額を超えると其処からの分一気に税率が跳ね上がる)そういったことで世界の資金を集め、利益をあげる。一般的なスイスのいいイメージからかけ離れたスイスの「せこい」部分が書かれています。



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ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか

著者:佐々木 俊尚
価格:¥ 840
中古:¥ 250


 こちらのすっとばして本読みました。

大体において納得できる内容で、理解を深めることが出来たと思われます。ネットvsリアルとタイトルになってますが、ネットの中でもリアルの中でも衝突しています。

・自由を求めるバーチャルの中の人々
・犯罪を行う人間
・管理しようとする国、国家権力
・利益を追求する企業
こんな人たちが如何いうバーチャル社会を築くのか。
自由を求める人たちは、ネット社会において、ただ自由にそして「ボランティア」を頼りにしてうまく行くのか、否か。其れを管理するとしたら誰が?どの程度?国家戦略・企業戦略に巻き込まれて利益を求めてくっついたり離れたりするたくさんのの国家や企業。そしてネットの人々が国家・企業に与える影響。

 ネットの世界が作られていっている状況で、其の世界がどうなってゆくのか。それはわからないんですが、その今の状況が整理されている本だと思います。

蛇足
 なんと言っても無数の人々が直接ネットに参加してきますからね、いい人も悪い人もごちゃまぜ。なんていうか、ネット社会はある種の原始的な状態なのかもしれませんね。それがよいのやらわるいのやら・・・。
一見好調に見える家電業界。まぁ、好調なことは好調なんでしょうけどね。日本の電気関連メーカと私の知ってる海外のメーカを挙げてみ見ますか。

日本では・・・

日立
東芝
ソニー
松下
シャープ
三洋
三菱電機
NEC
パイオニア
ベクター
キャノン
富士通

まだいけますね
ホシザキ
オムロン
カシオ
ダイキン

この全部が同じ分野で競争してるわけではぜんぜんないですが・・・家電メーカー多すぎ。此処の中で喧嘩しても・・・余り利益にはなりそうにありません。何しろ、希少性が無いんですから。多分、得をしているのは消費者です。ただし・・・これらの家電を買うことの出来る消費者に利益が行き買えない人には利益は行きません。今これらを買えない人は原油高等がきつくて剃れどころじゃないでしょう。
 家電業界がホントに儲かった(利益率が高かった)のはたとえば、薄型テレビ売り出して直後、供給<需要だった時じゃないでしょうかね。今はとにかくいっぱい作ってバンバン売ってコスト下げて・・・の繰り返しかと。

・・・・・正直思う。日本は家電メーカー多すぎだ。其のうち業界再編あっても良いかも。
今ダメなところ→とにかく三洋。どっかに安く買収されても良いかも。。



私が知ってる海外の電気メーカー

フィリップス
シーメンス
エマソン
GE
LG
サムスン

以下コンピューター
IBM
アップル
インテル
AMD
ASAS
ライトン
ELSA
(ブランド名もはいっちゃってるかもしれません)

こんなもんだよね。そりゃ日本に住んでるので日本のメーカーには詳しいわけですけど、それでも日本のメーカー数は多いとおもいます。。

ということで、私は家電業界ぼろもうけ説→×
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